コラム
柔道整復師と理学療法士の違いを徹底解説|仕事内容・資格・将来性まで
2025.7.31

柔道整復師と理学療法士の違いを徹底解説|仕事内容・資格・将来性まで
柔道整復師と理学療法士は、どちらも医療やリハビリの現場で活躍する重要な職業です。
しかし、仕事内容や資格の取得方法、働く場所などに多くの違いがあります。
この記事では、柔道整復師と理学療法士の違いを徹底的に比較し、進路選びやキャリアに役立つ情報を提供します。
柔道整復師と理学療法士の違いとは?まずは基本を押さえよう
まずは柔道整復師と理学療法士、それぞれの基本的な特徴を確認しておきましょう。
共通点も多いですが、施術の目的や方法などに大きな違いがあります。
どちらも国家資格である
柔道整復師と理学療法士は、どちらも厚生労働省が認定する国家資格です。
国家試験に合格し、登録を行うことで、それぞれの職業に従事することができます。
国家資格であることから、一定の知識と技術が求められる専門職であり、社会的な信頼性も高い職種です。
資格取得には、学校での専門的な学習と実技の訓練が必要です。
医療やリハビリに関わる職業である
どちらの職業も、人の身体の機能を回復・改善することを目的としています。
医療機関や施設で、医師や看護師と連携しながら患者の治療やサポートを行います。
ケガや病気、手術後のリハビリ、スポーツ障害など、対応する症例は幅広いです。
患者一人ひとりの状態に応じた、きめ細やかな対応が求められます。
施術の対象や目的が異なる
柔道整復師は、骨折や脱臼、捻挫などの急性外傷の施術に特化しています。
一方、理学療法士は、運動機能や日常生活動作の回復・維持を目的としたリハビリを行います。
つまり、柔道整復師は外傷に対して直接的な施術を行い、理学療法士は長期的な機能改善を支援する役割を担っています。
この違いにより、求められる知識やスキルにも差があります。
柔道整復師と理学療法士の違いを仕事内容から比較
次に、それぞれの職業の具体的な仕事内容を比較し、違いを明確にしていきましょう。
どのような施術を行い、どんな患者を対象にしているのかが大きく異なります。
柔道整復師は骨折・脱臼・捻挫などの処置が中心
柔道整復師の主な仕事は、骨折や脱臼、捻挫などのケガに対する応急処置と回復支援です。
ギプス固定やテーピング、包帯などを使って自然治癒力を高めます。
整形外科と似た分野であるものの、手術や薬を使わず「非観血的療法」と呼ばれる手技療法が特徴です。
柔道の技術から派生した伝統的な手技が活かされており、整骨院や接骨院での施術が主な業務となります。
理学療法士は運動機能回復のリハビリが中心
理学療法士は、病気やケガで低下した身体機能の回復をサポートするリハビリ専門家です。
歩行訓練や筋力トレーニング、関節可動域の改善など、患者の状態に応じたプログラムを提供します。
医師の指示のもとで施術を行い、患者の社会復帰を目指す役割を担います。
急性期から回復期、維持期まで幅広いリハビリの段階に関わります。
柔道整復師は手技中心、理学療法士は機器も使う
柔道整復師の施術は手技が中心で、患者の体に直接触れて調整する手法が主です。
一方、理学療法士は治療機器(電気刺激、温熱療法など)も使用し、運動療法と物理療法を組み合わせたリハビリを行います。
施術のアプローチ方法が異なるため、学ぶべき知識も異なります。
この点は、将来の働き方にも影響を与える重要な違いです。
柔道整復師と理学療法士の違いを資格や取得方法で比べてみよう
資格取得の難易度や必要な学習内容も、それぞれに特徴があります。
どちらも国家試験が必須ですが、学習期間や学校の種類に違いがあります。
柔道整復師は専門学校や大学で3年以上学ぶ必要がある
柔道整復師になるには、専門学校や大学で最低3年間の専門教育を受け、国家試験に合格する必要があります。
カリキュラムには、解剖学・生理学・臨床実習などが含まれます。
特に、手技や整復法などの実践的な技術の習得が重視されます。
働きながら通える夜間コースを設けている学校もあり、柔軟な学習が可能です。
理学療法士も大学や専門学校での3年以上の学びが必要
理学療法士になるには、4年制大学または3年制+ 1年の養成課程を持つ専門学校で学ぶ必要があります。
取得までの期間は柔道整復師よりやや長く、より学術的な知識が求められます。
実習期間も長く、病院などでの臨床経験が必須です。
学費はやや高額になる傾向がありますが、国家試験合格後の就職先は多岐にわたります。
柔道整復師と理学療法士の違いを働く職場や活躍の場から解説
働く場所によっても、それぞれの職業の特徴が表れます。
どのような施設で働きたいかを考えると、自分に合った進路が見えやすくなります。
柔道整復師は整骨院や接骨院が中心
柔道整復師は、主に整骨院や接骨院で働くことが多いです。
地域密着型の医療施設として、スポーツ外傷や交通事故の施術などを行います。
独立開業し、自分の院を持つ人も少なくありません。
近年では訪問施術や高齢者向けのケアも増えています。
理学療法士は病院・クリニック・介護施設で働くことが多い
理学療法士は、総合病院、整形外科クリニック、介護施設、訪問リハビリなどで活躍します。
医療チームの一員として、医師や看護師と連携して患者のケアにあたります。
回復期リハビリテーション病棟や老人ホームでのニーズも高まっています。
また、スポーツチームのトレーナーとして働く道もあります。
柔道整復師は開業が可能なのに対し、理学療法士は開業できない
柔道整復師は国家資格を取得すれば開業権があります。
自分で整骨院を経営したり、スタッフを雇って規模を拡大することも可能です。
一方、理学療法士には開業権がなく、基本的に医療機関や施設での勤務が前提となります。
この違いは将来の働き方に大きく影響するポイントです。
柔道整復師と理学療法士の違いを年収や収入面で比べよう
職業選びにおいて、収入面も重要な判断材料の一つです。
柔道整復師と理学療法士では、年収の傾向や収入の安定性に違いがあります。
柔道整復師の方が平均年収がやや高い傾向にある
全体的な平均年収で見ると、理学療法士よりも柔道整復師の方がやや高い傾向にあります。
柔道整復師の平均年収はおよそ400万円前後とされ、経験年数や職場によってはそれ以上の収入も見込めます。
公立病院や大規模な医療法人に勤務すれば、安定した昇給制度も整っています。
また、夜勤や管理職手当が付く場合もあります。
柔道整復師は独立開業で収入が大きく変わる
柔道整復師の年収は勤務先が整骨院か、自身で開業しているかで大きく異なります。
勤務柔道整復師の平均年収は300〜400万円程度ですが、成功すれば開業後は年収600万円以上を得ることも可能です。
ただし、開業にはリスクや経営スキルも必要となります。
立地選びや集客の工夫が年収に直結するため、ビジネスセンスが問われる職種でもあります。
理学療法士は安定収入が得られやすい
理学療法士は公務員や大手法人など、安定した職場に就職できる機会が多いため、収入のブレが少ないのが特徴です。
定期的な昇給やボーナスがあり、長く働くほど給与水準が上がる傾向にあります。
家庭との両立やライフプランの安定性を求める方にとっては、大きなメリットです。
転職市場でも人気が高く、収入と安定のバランスが良い職業といえます。
柔道整復師と理学療法士の違いを将来性・需要の面から考える
今後のニーズや職業の将来性は、進路選びで見逃せない重要ポイントです。
人口動態や医療制度の変化も視野に入れて、長く働ける職業かを見極めましょう。
高齢化社会でどちらもニーズが高まっている
日本では高齢化が進行しており、どちらの職種も高齢者の健康支援という面で重要な役割を果たしています。
骨折や転倒予防、生活機能の維持など、高齢者を対象にした施術やリハビリが求められています。
医療・介護の現場では、経験豊富な専門職への需要は年々増加しています。
これからの時代にマッチした職業といえるでしょう。
理学療法士は医療・介護分野で幅広く需要がある
理学療法士は、医療機関だけでなく、介護施設や訪問リハビリなど活躍の場が非常に広いです。
特に介護保険制度の普及により、在宅でのリハビリニーズが急増しています。リハビリ特化型のデイサービスなど、新たな分野での就職先も生まれています。
将来的に専門性を活かしてキャリアアップする道も豊富です。
柔道整復師は保険制度の見直しで影響を受ける可能性がある
柔道整復師の施術には健康保険が適用される場合もありますが、近年は制度の見直しにより制限が強まっている状況です。
例えば、慢性症状に対する保険適用が難しくなるケースがあります。
そのため、今後は自由診療への対応や自費メニューの導入など、経営力が求められる可能性が高いです。
時代の変化に柔軟に対応できるかどうかが、将来性を左右します。
まとめ|柔道整復師と理学療法士の違いをしっかり理解して進路選びに活かそう
柔道整復師と理学療法士は、どちらも人の健康を支える専門職です。
仕事内容・資格取得・働く場所・将来性など、それぞれの違いを理解することが、自分に合った進路選びの第一歩です。
柔道整復師は手技による施術と独立開業の自由度が魅力で、理学療法士は医療機関での安定した勤務と幅広い活躍の場が強みです。
自分の性格やライフスタイルに合った職業を選び、専門性を活かして社会で活躍しましょう。
【接骨院・整骨院の開業は、ジャパン柔道整復師会にお任せください】
今回この記事を読んで、整骨院の開業を本格的に検討し始めた方もいらっしゃるかと思います。
整骨院の開業は、ぜひジャパン柔道整復師会にお任せください。
ジャパン柔道整復師会では、接骨院・整骨院の開業を全面的にサポートしております。
- 事業計画の作成
- 開業場所の選定
- 商圏調査
- 物件の紹介
- 融資の資料作成
- 届出の書類準備
- 治療機器の販売
- ホームページの作成
といったように単なるアドバイスにとどまらず、実際に手を動かし開業準備を進めます。
詳しいご支援内容は以下の記事をご覧ください。
仕事をしている間も私たちが着々と準備を進めますので、今の仕事を続けながら開業の準備が整います。中には開業の前日まで、仕事を続けていた方もいらっしゃいます。