コラム
接骨院・整骨院で医師の同意が必要な治療とは?同意があっても治療できないケースも解説
2023.1.20
接骨院や整骨院では様々な治療を行うために来院される患者さんがいらっしゃいますが、実は医師の同意がないと施術できない治療があります。今回はこの医師の同意なしでは施術できないいくつかの治療についてご紹介するとともに、医師の同意のもらい方などについても詳しく解説します。ぜひご一読ください。
接骨院・整骨院で医師の同意が必要な治療とは?
医師の同意が必要な治療は、骨折や脱臼の治療です。ただし骨折や脱臼でも基本的に応急手当に関しては医師の同意は不要になります。しかし、その後は必ず医師に診断してもらわなければいけません。
接骨院や整骨院では、柔道整復師が骨、関節、筋、腱、靱帯などの明らかな外傷によっておこる骨折、脱臼、打撲、捻挫などの損傷を施術します。ちなみにその際には、手術を行わない非観血的療法で、整復や固定などによって施術を行います。柔道整復師はレントゲンによる診断ができないので、医師がレントゲンによって画像診断し、骨折や脱臼の様子をきちんと確認したり、他の箇所に別の怪我がないか確認したりするのです。また、治療後も骨がきちんと元に戻ったかを医師が確認する必要があります。
この医師の同意は健康保険の取扱いに関わらず、どの施術でも骨折や脱臼の治療の際には必ず必要になります。柔道整復師法第17条で「柔道整復師は、医師の同意を得た場合のほか、脱臼又は骨折の患部に施術してはならない」と定められていますから、きちんと医師の同意をもらいましょう。
接骨院・整骨院での医師の同意のもらい方
同意書のもらい方で一番おすすめな方法は書類です。確実に同意を得たことを証明できるためです。しかし、必ずしも書類で受け取れるとは限りませんので、医者から同意をもらったことを患者さんから口頭で伝えてもらったり、医師に電話で同意を求めることもできます。後々トラブルにならないように、どのような方法にしろ確実に同意をもらっておくことが大切です。また、その同意をもらった旨は、施術録やレセプトにも記載する必要があります。どこに書けば良いのかについては次の章で詳しくご紹介します。
医師の同意はどこに記入する?
医師の同意をもらったことは、正しく記録に残しておかなければいけません。施術録に同意を得たことを記載することはもちろん、算定する全てのレセプトに毎月、摘要欄に書かなければいけません。具体的には同意を得た年月日、医療機関名と大きな病院の場合は診療科名、同意を頂いた医師の名前を書きます。
医師の同意を得ても接骨院・整骨院で治療できないケース
基本的に骨折は、医師の同意をもらえれば治療できますが、単純ならざる骨折の場合は医師の同意を得たとしても治療することができません。単純ならざる骨折とは、腰椎、骨盤骨、胸椎、膝蓋骨等の骨折が該当します。例え、初回の来院であっても、単純ならざる骨折の場合は処置(応急手当)をせずに病院へ行くよう促す必要があります。
ただし、医師から後療依頼を受けた場合のみ、後療から治療することができます。後療依頼についても同意書を書面でもらう必要はありませんが、後のトラブルを防ぐためにも確実に同意を得ておくことをおすすめします。
また、単純ならざる骨折では、接骨院から病院へ紹介されても整復料を算定できず、初検料のみの算定になるので気を付けましょう。骨折や脱臼の治療の同意と同様に、レセプトの摘要欄に、医師から後療依頼を受けた年月日、医療機関名と大きな病院の場合は診療科名、医師名を記入する必要があります。
まとめ
今回の記事では、接骨院や整骨院で医師の同意が必要な治療について詳しく解説しました。骨折や脱臼については同意を得なければいけない場合と、そもそも治療ができない場合がありますから、注意しましょう。兎にも角にも適切な治療ができるように、きちんと医師の同意をもらってから治療を行うことが重要です。
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