コラム

接骨院・整骨院における部位転がしとは?不正を疑われないレセプトのコツも解説

接骨院・整骨院では保険診療の対象となる施術を行うことが多々あります。保険診療にかかる費用は1割から3割を患者さんが負担し、残りを各保険組合に請求するという仕組みになっていますが、その際に水増し請求や架空請求のような不正請求を行う整骨院・接骨院があることも事実です。注意しなくてはならないのは、不正行為を行っていなくてもレセプトの書き方一つで疑われてしまうことがあるということ。つまり、真面目にやっている整骨院・接骨院であればあるほどレセプトは慎重に記載する必要があるということになります。

そこで今回は、不正請求の常套手段である「部位転がし」について説明するとともに、不正を疑われないレセプトの書き方についても解説していきます。

 

整骨院・接骨院における部位転がしの定義とは?

 「部位転がし」と聞いて、何となくイメージはできるけれど正確な定義については知らない方も多いかもしれません。一言でいうと、部位転がしとは「同一患者において負傷と治癒を繰り返す」行為のことを言います。

部位転がしの特徴としては

・負傷部位か1部位または2部位であること(3部位未満)

・短期間のうちに治癒と負傷を繰り返していること(3か月未満)

・結果として、同一施術所における同一患者の受療期間が長期となっていること

があります。

不正の意図がなくても、実際に行われた施術が部位転がしの特徴と酷似しているということもあるかもしれません。不正請求を疑われないためにもレセプトの書き方には十分に気を付けましょう。 

参照:厚生労働省「柔道整復の施術に係る療養費関係」

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000134996.pdf

整骨院・接骨院で部位転がしになってしまうパターン

部位転がしと呼ばれるものには一定のパターンがあります。レセプトでこれらに該当する記載があれば、部位転がしを疑われる可能性があります。

①月初め初検、月末転帰

②当月負傷、当月治癒なし

③施術が長くなると請求しない月がある

また、3ヶ月以上の長期施術や4部位以上の多部位が部位転がしに該当してしまうという認識が一部ではあるようですが、これは誤解です。長期的に施術をしても改善しない症状があるのは当然であり、また4部位を超える症状を施術した場合は4部位以上で療養費を請求することは何ら問題ではありません。

  

整骨院・接骨院が部位転がしを行ってはいけない理由

 刑事罰に問われる

 部位転がしとして不正請求した療養費を不正受給してしまった場合、それが故意によるものであれば刑事罰に問われることになります。整骨院として今後営業できなくなるどころか、本人(整骨院の先生)の社会的信頼も奪われます。

 

受領委任の取り扱いが中止になる

 部位転がしによる不正請求対策として、厚生労働省は1部位当たりの施術が5か月を超過した場合の施術料金の逓減や4部位目以降の施術料金は3部位目に包括するなどの対策を講じていますが、あまりにも不正行為が続くと受領委任の取り扱い自体が中止になる可能性があります。 

 

部位転がしを疑われないレセプトの書き方

 例えそれが故意ではなかったとしても、レセプトの書き方によっては部位転がしでなないかと疑われてしまうこともあります。せっかく適切な施術を行ったにも関わらず、不正行為を疑われることは不本意なので、ここでは部位転がしを疑われないレセプトの書き方について簡単にご紹介します。

以下の点に意をつけて記載することがポイントです。

・負傷に至った経緯を詳しく記載する

・負傷原因を具体的に記載する

・部位ごとの負傷の発生機序を記載する

ありのままの事実を時系列に沿って丁寧に書くことが大事です。誠意を尽くして施術を行っているという点を強調すると良いでしょう。

 

まとめ

 経理・事務仕事の中でも、特にレセプト作成は専門性が高く手間とされています。どんなに慎重に事実のままを嘘偽りなく記載しても、読み手の受け取り方で勘違いをされ、不正を疑われてしまうことも起こり得ます。整骨院の本業は患者様への施術なので、レセプト周りのことで時間と労力が奪われるのは不本意ですよね。そこで、複雑な事務作業を代行してもらい、本業に専念するという選択肢もあります。

 私たちジャパン柔道整復師では、レセプト請求の代行サービスやレセコンシステム「NOHA」の提供を通して、柔道整復師の先生の負担を軽減しています。私たちのレセプト請求代行サービスは機械と人間による徹底したダブルチェックにより返戻を防ぎ、保険入金率は驚異の99.7%となっております。

 煩雑な手続きから解放されて施術に専念したい先生や、経営の安定をはかりたい先生は、ぜひお気軽にジャパン柔道整復師会にご相談下さい。 

お問い合わせはこちら!

 

 

 

コラム一覧に戻る