コラム

柔道整復における近接部位とは?算定方法や注意点を解説!

レセプトの作成では、具体的な施術内容を専門用語も含めて正確に記載しなくてはなりません。中でも施術部位に関する記載は、保険料を支払う根拠となる重要な部分なので、より正確性が問われます。そこで今回は、算定方法の定義が複雑な近接部位について解説していきます。

 

柔道整復における近接部位とは

近接部位とは、言葉の通り近接する体の部位のことです。そして、柔道整復における近接部位の考え方とは、2つ以上の極めて近い部位を施術した際に、一方を施術したことによって必然的にもう一方も施術したことになるので、両方の部位の療養費を請求できないというものです。

 

近接部位の算定方法とは

近接部位の算定方法は以下のように細かく定義されています。柔道整体師の先生によって解釈が異なる場合もありますが、ここでは主観を交えず客観的に判断することが重要です。

ア 頸部、腰部又は肩関節のうちいずれか2部位の捻挫と同時に生じた背部打撲(肩部を含む。) 又は挫傷に対する施術料は、捻挫に対する所定料金のみにより算定すること。

イ 左右の肩関節捻挫と同時に生じた頸部捻挫又は背部打撲に対する施術料は、左右の肩関節捻挫に対する所定料金のみにより算定すること。

ウ 顎関節の捻挫は、捻挫の部の料金をもって左右各1部位として算定して差し支えないが、同時に生じた同側の顔面部打撲に対する施術料は、捻挫に対する所定料金のみにより算定すること。

エ 指・趾骨の骨折又は脱臼と同時に生じた不全骨折、捻挫又は打撲に対する施術料は、骨折又は脱臼に対する所定料金のみにより算定すること。

オ 関節近接部位の骨折の場合、同時に生じた当該骨折の部位に最も近い関節の捻挫に対する施術料は、骨折に対する所定料金のみにより算定すること。 

また、関節捻挫と同時に生じた当該関節近接部位の打撲又は挫傷に対する施術料は、別にその所定料金を算定することなく、捻挫に対する所定料金のみにより算定すること。

この場合の近接部位とは、次の場合を除き、当該捻挫の部位から上下2関節までの範囲のものであること。

① 手関節捻挫と前腕部打撲又は挫傷(上部に限る。)

② 肘関節捻挫と前腕部打撲又は挫傷(下部に限る。)

③ 肘関節捻挫と上腕部打撲又は挫傷(上部に限る。)

④ 肩関節捻挫と上腕部打撲又は挫傷(下部に限る。)

⑤ 足関節捻挫と下腿部打撲又は挫傷(上部に限る。)

⑥ 膝関節捻挫と下腿部打撲又は挫傷(下部に限る。)

⑦ 膝関節捻挫と大腿部打撲又は挫傷(上部に限る。)

⑧ 股関節捻挫と大腿部打撲又は挫傷(下部に限る。)

 (注)上部、下部とは、部位を概ね上部、幹部、下部に三等分した場合のものであること。

 なお、当該負傷の施術継続中に発生した同一部位又は近接部位の負傷に係る施術料は、当該負傷と同時に生じた負傷の場合と同様の取扱いとすること。

 

出展:厚生労働省「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項等について」

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb0408&dataType=1&pageNo=1

 

特殊な近接部位とは

近接部位だけでも理解するのに一苦労ですが、ここではさらに特殊な近接部位についてご紹介します。特殊近接とは、端的に言うと3部位の近接のことです。代表的な特殊近接には以下のようなものがあります。

特殊な近接部位①

頚部、両肩、腰部のいずれか2つの捻挫と、背部の打撲(もしくは挫傷)は同時に算定することができません。例えば、左肩関節捻挫+腰部捻挫+背部打撲や頚部捻挫+右肩関節捻挫+背部打撲(下部)などは特殊近接に該当します。

 

特殊な近接部位②

頚部と両肩の捻挫も同時に算定することができません。例えば頚部捻挫+右肩関節捻挫+左肩関節捻挫は特殊近接に該当します。

 

近接部位の算定における3つの注意点

協定傷病名に上下左右をつけて請求する

協定傷病名を記載する際は、近接であるかどうかに関わらず必ず上下左右をつけるようにしましょう。なぜならば、近接になる場合のみつけてならない場合につけないなどとしたら、意図的にその部位に対して部位操作をしているのでないかと疑われる可能性があるからです。

 

協定外傷病名は使用しない

近接部位を記載する際には、協定傷病名と協定外傷病名(協定傷病名以外の傷病名)を同時に使用しないことをおすすめします。なぜなら、協定傷病名と協定外傷病名が近接かどうか判断する規定が定められていないので、保険者の判断で返戻されてしまう可能性があるからです。

 

肩甲部打撲を使用しない

肩甲部打撲は、原則として背部打撲として取り扱うものであると決められています。頚や背部は近接の範囲が多くなることから、肩甲部打撲を使用することはおすすめしません。

 

まとめ

柔道整復師の先生にとって、レセプト作成は施術とは違った神経を使う骨折り作業です。できることなら人に任せて施術に専念したいところですが、一人整骨院などの先生はそうも行きませんよね。そこで、ジャパン柔道整復師では、柔道整復師の先生が施術に専念できるように、レセプト作成面において様々なサービスを行っております。

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