コラム

整骨院開業の成功には差別化が必須!差別化に重要な7つの戦略を解説

競合の整骨院との差別化は、整骨院の開業や経営を成功させる重要な要素です。多数の整骨院の中から患者が自院を選ぶには、独自の魅力や特長を示すことが不可欠です。

整骨院の開業を考えている方や競合に負けない整骨院を目指す方は、患者のニーズを理解し、差別化に取り組むことが重要です。

以下では、整骨院で差別化が必要な理由と、差別化を図るための重要なポイントについて解説します。

 

整骨院の数はコンビニより多い!生き残りには差別化が必須

整骨院の数は年々増加しており、経営の難しさを感じている経営者も増えています。競争が激しくなる中、競合に負けずに経営を安定させるためには、差別化が重要です。自院ならではの魅力をしっかりとアピールしましょう。

厚生労働省は、衛生行政報告例のデータによる整骨院数の推移を以下のように発表しています。

(出典:厚生労働省「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況-就業あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師及び施術所」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/20/dl/kekka3.pdf)

 

整骨院の数は、平成24年から令和2年までの8年間で約17,000件増えました。また、整骨院以外にもあん摩やマッサージを行う施術所の数も全体的に増加しています。これは美容ブームや健康ブームなど、身体の調子を整えたい方が増えたことが影響しています。

 

整骨院・接骨院の差別化に必要な2つの準備

競合を分析する

整骨院の差別化を図るためには、まず競合の分析が欠かせません。競合の分析で確認しておきたい主な項目は、以下の通りです。

・サービス内容と特徴

・顧客層の属性

・営業時間と休業日

・料金体系

・アクセス性

競合を分析することで、他の整骨院と自院の違いを明確に把握できます。そして、その違いを自院の強みとしてブランディングに活かしましょう。

競合分析の方法としては、ウェブサイトや公開資料のチェック、実際に店舗を訪れての調査などがあります。分析した情報は、調査シートなどに整理して比較しやすくしておくと良いでしょう。

 

顧客ニーズを分析する

整骨院を差別化する上で、顧客ニーズの分析は欠かせません。まずは整骨院を開く地域の分析を行い、どのような顧客が必要としているかを把握しましょう。

顧客ニーズを明確にすることで、ターゲットとすべき顧客像や適切なブランディングが見えてきます。

顧客ニーズの分析でチェックしておきたい主な項目は、以下の通りです。

・地域の特性

・地域住民の属性

・地域住民の生活スタイル

地域の特性としては、「駅からの距離が近い」「高齢者が多い」「夜間の人通りが多い」などを考慮し、競合の整骨院との差別化ポイントを検討しましょう。

 

患者は何を基準に整骨院・接骨院を選ぶのか

近さ

患者が自宅や勤務先以外の接骨院・整骨院に通うことは稀です。仮に来院したとしても、一度だけの可能性が高いでしょう。

ただし、特別な技術や話題性があれば、遠くからでも来院してくれる可能性があります。しかし、遠方からの来院は負担が大きいため、その負担を克服するための差別化戦略が不可欠です。

安定した収益を確保するためには、まずは地域の患者の数と増加の見込みに注目しましょう。自院にどれだけの患者が来院しており、今後どれくらい増やせるかを把握することが重要です。

 

価格

料金設定は、初めて来院する患者や通院が少ない層にとっては、非常に重要な要素です。料金を比較軸にすることで集客を促進することができます。以下は料金を活用した集客戦略の例です。

キャンペーン戦略:

開店キャンペーン

ご紹介キャンペーン

初回限定キャンペーン

など、新規患者を獲得するためのキャンペーンを展開し、一時的に低料金を設定することで集客を図ります。

 

通院パックプラン:

ヘビーユーザー向けに、通院回数や料金をパッケージ化したプランを提供することで、リピーターを増やすことができます。

ただし、以下の点に留意することが重要です。

・定期的なキャンペーンの予測可能性を避ける。

・安売りに依存しすぎない。安い時期にしか来院しない患者を増やさないように注意する。

・施術料金よりも、サービスや技術力で差別化を図ることが重要。

料金設定は集客の一環ですが、長期的な経営を考えると、差別化を図る他の要素にも注力することが必要です。

 

口コミや評判

地域密着型のビジネスでは、口コミや評判の管理が不可欠です。特に対人サービスが中心の場合、評判は購買意欲に大きな影響を与える可能性があります。常に丁寧な接客と清潔な院内環境を維持することが重要です。

また、見落としがちなのがスタッフ間のコミュニケーションと元スタッフの評判です。スタッフ同士のやり取りが適切でないと、患者に不快な印象を与えることもあります。元スタッフの口コミは、彼らが辞める際の気持ちや理由に影響されます。嫌な経験があれば、転職サイトなどで悪い評判を書く可能性もあります。

最悪の場合、Googleマイビジネスなどで不正確な情報が掲載されることもあります。口コミや評判の管理には常に注意を払い、良好なイメージを維持する努力が必要です。

 

技術力

良い口コミを得て集客を促進し、リピーターを確保するためには、必要とされる技術力が不可欠です。

集客が順調でも、リピーターを獲得できなければ広告費がかさみ、経営に悪影響を及ぼす恐れがあります。

現状では、患者や自分自身が技術の評価を正確にすることが難しいこともあります。例えば、患者が効果を感じていなくても、直接意見を伝えずに通院を中止したり、悪い口コミを残すこともあるでしょう。

技術力を向上させるためには、整骨院の手技セミナーや研修に積極的に参加し、自身の技術力を客観的に評価できる環境を整えることが肝要です。

 

整骨院・接骨院の差別化で重要な7つのポイント

①治療コンセプトを明確にする

ターゲット患者を明確にすることで、差別化を図るための具体的なアクションが見えてきます。自院のコンセプトを明確化するためには、以下の点を考慮してみてください。

・ターゲット層に合わせた施術メニューの設定

・必要な設備や機器の導入

・内装・外装の工夫による独自性の演出

多くの人に受け入れられる整骨院であれば集客効果は高いと思われがちですが、実際にはコンセプトがはっきりしないと院の特徴が伝わりにくくなります。差別化を図るためには、性別や年齢、悩みなどを踏まえて具体的なターゲット層をイメージすることが重要です。

 

②立地

整骨院の立地は、他院との差別化を図る上で重要な要素です。お客様の通いやすさや利便性が直接影響します。良い立地条件を持つことで、集客がしやすくなります。

良い立地条件を確保するためには、以下の点を考慮してみましょう。

・利便性の高さ:交通アクセスが良く、お客様が簡単に訪れられる場所にあることが重要です。

・ターゲット層の在住エリアに近いこと:ターゲットとする顧客層が多く住むエリアに位置していると、来店しやすくなります。

例えば、競合の整骨院が駅から離れている場合は、駅ビル内や住宅街周辺など、お客様の利便性を考慮した場所に店舗を配置することが考えられます。整骨院の立地は、集客率を左右する重要な要素の一つです。

 

③規模感

規模とは、単純な物理的な大きさだけでなく、競合と比較した際の位置づけも重要です。

特定分野における規模が大きい場合、それは強みとなる可能性があります。具体的には、以下のような要素が競合と比較して差別化を図るための視点となります。

・店舗の面積(坪数)

・ベッドの台数

・駐車場の台数

・営業時間

・スタッフの人数

・グループや複数店舗を運営しているかどうか

これらの要素を活かして、自院の規模を強みとしてアピールできるかどうかが重要です。

 

④価格設定

価格設定は、他の整骨院との差別化に重要な要素です。

競合の整骨院と比較して価格が優れていれば、集客が見込みやすくなります。まずは競合の整骨院の価格相場を調査し、自院の価格設定を検討しましょう。

価格設定では、サービス内容や効果に見合った価格設定が重要です。また、お客様の予算も考慮することが大切です。ターゲット層の予算が5,000円であれば、価格を4,000円~8,000円の範囲で設定することが一般的です。

競合が価格競争を行っている場合は、短時間で高い効果をアピールし、分単価を高めることで差別化が可能です。ただし、価格だけでなくサービスの質や効果も重視して価格設定を行うことが重要です。

 

⑤営業日・営業時間

整骨院の営業日や営業時間は、集客に大きな影響を与える要素です。競合との差別化を図るためには、競合が営業していない時間帯を狙うことが重要です。

例えば、平日の日中は高齢者や主婦の方が利用しやすい傾向にあります。一方で、平日の17時以降や休日はビジネスパーソンが利用しやすい時間帯です。このように時間帯ごとに利用者の属性が異なることを考慮すると、営業時間の差別化は効果的です。

競合の整骨院が例えば平日のみ18時まで営業している場合、日曜日も営業したり20時まで営業するなど、営業時間を調整することで新たな顧客層を獲得することができます。

 

⑥集客方法

チラシ

中高年をターゲットにした整骨院の集客方法として、広告宣伝の定番であるチラシは非常に相性が良いです。

例えば、新聞折込チラシは中高年層が新聞を定期購読していることが多く、彼らの目に留まりやすい傾向があります。また、インターネットの利用頻度が低い人にもアピールできる方法です。さらに、地域ごとにターゲットを設定しポスティングを行うことも効果的です。

ただし、他のチラシと差別化するためには、デザインやカラーなどの見た目の印象にも注意が必要です。独自性やコンセプトがしっかり伝わるようなチラシ作りを心掛けましょう。

 

SNS

SNSを利用したウェブ集客は、ターゲット層に的確にアピールし、自院の魅力を伝えるのに役立ちます。さらに、SNSで情報を見た患者さんが家族や友人と情報を共有しやすい点も魅力的です。

特にSNSを積極的に利用する若年層をターゲットとすると、集客効果が高まります。投稿に対する反応やアクセス解析を通じて、今後の投稿内容や運用の改善点を見つけることも可能です。

ただし、異なるSNSプラットフォームはそれぞれ異なるユーザー層やニーズを持っています。各SNSの特性を把握し、自院のコンセプトに合ったSNSを選択しましょう。

 

Googleマイビジネス

Googleマイビジネスは、無料で利用できる集客ツールで、Google検索で店舗情報が表示されるナレッジパネル(情報ボックス)に自院の情報を掲載できます。

周辺地域で整骨院を探している人が、「○○(地名) 整骨院」とGoogle検索すると、Googleマイビジネスを活用している整骨院の情報が表示されます。

他の整骨院との差別化を図るためには、基本情報だけでなく、紹介文や口コミなど魅力的な情報を充実させることが重要です。

 

ホームページ

ホームページを活用した集客では、整骨院の魅力や情報を具体的に伝えることができます。施術内容や料金だけでなく、アクセスや予約方法など、集客につながる導線を作りやすい点も大きなメリットです。

自院でホームページを制作する際には、以下のテクニックを取り入れて他院との差別化を図ることが重要です。

・カラーをコンセプトに合わせて選ぶ:ホームページのカラーデザインは、自院のコンセプトやイメージに合わせて選びましょう。色彩は訪問者に感情や印象を与えるため、重要です。

・読みやすいフォントを選ぶ:ターゲット層が快適に読めるフォントを選択しましょう。文字の大きさやスタイルも患者さんが情報をスムーズに理解できるように配慮しましょう。

・トップページにメリットを表示する:患者さんにとって重要な情報やメリットは、トップページにわかりやすく表示しましょう。例えば、特別なキャンペーンや無料相談などのサービスを目立たせると効果的です。

・画像やイラストを活用する:テキストだけでは伝えにくい内容は、画像やイラストを使って視覚的に表現しましょう。施術の流れや効果などを分かりやすく伝えることができます。

 

⑦リピーター獲得

整骨院にとって、リピーターを増やすことは経営安定につながり、他の整骨院との差別化にも役立ちます。

整骨院では、身体の不調を解消するために来院する方が多いため、通院期間は初診から2〜3か月で終わるケースが一般的です。リピーターになってもらうには、定期的に院を訪れてもらうためのメンテナンスが重要です。

SNSやメールマガジンなどを活用して、患者様とのコミュニケーションを維持し、定期的なメンテナンスに誘導したり、お得なクーポンを提供したりしてリピーターを増やしましょう。

競合の整骨院がSNSやクーポンを利用している場合は、地域のイベントや活動に積極的に参加して、直接お客様にアピールすることも効果的です。

 

まとめ【差別化された整骨院・接骨院の開業を目指すならジャパン柔道整復師会】

整骨院の数は年々増加しており、競争が激化していると言われています。生き残るためには他の整骨院との差別化が重要です。

競合の整骨院との差別化を図るには、まず競合の分析と顧客ニーズの分析を行うことが不可欠です。この分析を通じて、治療コンセプトや価格設定など、他の整骨院との大きな違いを明確に打ち出すことが必要です。

ジャパン柔道整復師会は、年間50件以上の開業支援実績を持ち、開業セミナーから物件情報の提供、商圏調査、融資書類作成サポート、トータルデザイン、治療機器の紹介まで、開業に必要なあらゆるサポートを提供しています。

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