コラム
施術所開設届の書き方と必要書類|保健所への提出手順を解説
2026.3.10
施術所開設届の書き方と必要書類|保健所への提出手順を解説
接骨院・整骨院を開業する際、保健所への「施術所開設届」の提出は法令上の義務です。しかし、初めて開業する方にとっては「何を書けばいいのか」「どんな書類が必要なのか」「いつまでに提出すれば良いのか」といった疑問が多く出てきます。
この記事では、施術所開設届の書き方・必要書類の一覧・平面図の作成ポイント・保健所への提出手順・よくあるミスと注意点まで、開業準備を進める方が知っておくべき情報を詳しく解説します。
施術所開設届とは

届出の根拠法令と義務内容
施術所開設届は、柔道整復師法第19条に基づいて義務付けられた届出です。接骨院・整骨院(柔道整復施術所)を開設した場合、開設した日から10日以内に、施術所の所在地を管轄する保健所に届け出なければなりません。この届出は許可制ではなく届出制であるため、届出を行えば開業自体は可能ですが、届出をしない・遅れた場合は行政指導の対象となる場合があります。
また、施術所開設届は一度提出すれば終わりではなく、施術所の所在地・面積・管理者(施術管理者)・開設者などに変更が生じた場合は「変更届」を、施術所を廃止した場合は「廃止届」を、それぞれ保健所へ提出することが必要です。
あん摩マッサージ指圧・はり・きゅうとの違い
施術所開設届は、柔道整復施術所(接骨院・整骨院)だけでなく、あん摩マッサージ指圧・はり・きゅうの施術所(鍼灸院・マッサージ院)を開設する場合にも必要です。いずれも根拠法と提出書式は異なりますが、開設後10日以内に保健所へ届け出るという基本的なルールは共通しています。この記事では主に柔道整復施術所(接骨院・整骨院)の開設届について解説します。
必要書類一覧
基本書類(個人開設の場合)
保健所に提出する施術所開設届の基本書類は以下のとおりです。まず施術所開設届(各保健所の書式に準拠)が必要です。次に業務に従事する施術者(柔道整復師)全員の免許証の写し(原本提示が求められることもあります)が必要です。施術所の平面図(部屋の用途・寸法・面積・換気設備・消毒設備の位置を記載したもの)、施術所の案内図(施術所の所在地がわかる地図)も必要書類に含まれます。多くの保健所では書類を正副2部提出するよう求めているため、事前に提出部数を確認してください。
法人開設の場合に追加で必要な書類
法人(株式会社・医療法人など)が開設者となる場合は、上記の基本書類に加えて、定款(または寄付行為)の写しと法人の登記事項証明書(発行から3ヶ月以内のもの)が必要になります。法人の場合は代表者と施術所の管理者(施術管理者)が異なることが多いため、それぞれの役割を整理したうえで書類を準備することが重要です。
開設届と同時に準備すると良い書類
施術所開設届の提出とは別に、健康保険(受領委任)を取り扱うための「受領委任の申し出」を地方厚生局に行う必要があります。この手続きは開設届と同時並行で進めることが推奨されており、必要書類(施術所開設届の写し・柔道整復師免許証の写し・施術管理者の要件確認書類など)をあわせて準備しておくとスムーズです。
開設届の書き方

開設届の記載項目と書き方のポイント
施術所開設届の書式は保健所によって多少異なりますが、一般的に記載が求められる項目は以下のとおりです。まず施術所の名称(屋号)と所在地を記入します。次に開設者の氏名・住所・生年月日、施術管理者の氏名・柔道整復師免許番号、施術所の構造・面積(施術室の面積が6.6㎡以上を満たしているかを確認)を記載します。そして業務の種類(柔道整復)と開設年月日(実際に開業した日)を記入します。
記入にあたって特に注意が必要なのは「施術管理者」の記載です。施術管理者は、2024年4月以降、3年以上の実務経験と施術管理者研修の修了証を持つ柔道整復師でなければなりません(2018年4月〜2022年3月は1年、2022年4月〜2024年3月は2年の経過措置あり)。自分自身が施術管理者となる場合は免許番号と研修修了情報を正確に記入し、他者が施術管理者となる場合はその者の情報を記載します。
開設年月日の記入方法
「開設年月日」は、実際に施術所を開設(開業)した日を記入します。届出書を保健所に提出する日ではなく、開業した日付を記入する点に注意してください。開設後10日以内という期限は、この開設年月日から起算されます。
平面図の作成ポイント
平面図に記載が必要な内容
施術所開設届に添付する平面図は、保健所が施術所の構造設備基準(施術室の面積・採光・換気・消毒設備など)を確認するための重要書類です。平面図には以下の内容を必ず記載してください。まず全室の用途(施術室・待合室・更衣室・倉庫など)と各部屋の寸法(縦×横)・面積を記入します。次に換気設備の位置と種類(窓・換気扇・空調など)、消毒設備(手洗い場・消毒液置き場)の位置、施術台の配置と数を記載します。また、入口・非常口・トイレの位置も図に含めてください。
図面の作成方法
平面図の作成は、手書きでも可能ですが、CADや間取り作成ソフト(Excelでも代用可)を使用すると寸法の精度が上がり、保健所での確認もスムーズです。物件契約時に受け取った間取り図をベースに、施術台の位置・設備の配置を加筆する方法も一般的です。なお、平面図に記載した内容と実際の施術所の状況に相違がある場合、保健所の確認時に差し戻しになることがあります。作成後は実際の施術所レイアウトと一致しているかを確認してから提出してください。
保健所への提出手順
事前相談の活用
施術所の平面図や書類の準備に不安がある場合は、着工前・開設前に管轄保健所への事前相談を活用することをおすすめします。保健所の担当窓口では、施術室の面積や換気設備の配置が基準を満たしているかを事前に確認してもらうことができます。物件契約後に「基準を満たしていない」と判明すると改修が必要になるため、できれば物件選定段階で相談しておくことが理想的です。
提出時の持ち物と手続き
保健所に開設届を提出する際は、開設届(正副2部)・必要書類(免許証の写し・平面図・案内図など)・柔道整復師免許証原本(本人確認と照合のため)・印鑑(法人の場合は法人印)を持参します。窓口での確認後に受領印が押された控えが返却されるため、大切に保管してください。この控えは、地方厚生局への受領委任申し出の際にも必要となる場合があります。
変更届・廃止届が必要なケース
開設後に施術所の名称・所在地・施術管理者・面積などが変わった場合は、変更後10日以内に変更届を提出する義務があります。また、施術所を廃止する場合は廃止後10日以内に廃止届を提出する必要があります。これらの手続きを怠ると行政指導の対象となる可能性があるため、変更が生じた際は速やかに保健所へ相談・届出を行ってください。
よくあるミスと注意点
開設日と届出日を混同する
最もよくあるミスは、開設年月日と届出年月日を混同して記入してしまうことです。開設届に記入する「開設年月日」は、施術所を実際にオープンした(患者を受け入れ始めた)日であり、届出を保健所に持参した日ではありません。開設日から10日以内に保健所へ持参することを忘れずに行動計画を立ててください。
平面図の面積不足・記載漏れ
施術室の面積が法定基準(6.6㎡以上)を下回っていたり、換気設備や消毒設備の記載が漏れていたりすると、保健所で受理されない場合があります。物件の内装工事前に平面図案を作成し、管轄保健所に事前確認してもらうことで、このリスクを回避することができます。
施術管理者要件の未確認
2024年4月以降、施術管理者として受領委任を取り扱うためには、3年以上の実務経験と施術管理者研修の修了が必要です。この要件を満たしていない状態で開設届を提出しても、受領委任(保険取り扱い)の申し出が認められないため、保険診療を行う予定がある場合は開業前に必ず要件を確認してください。
まとめ
施術所開設届は、柔道整復師法第19条に基づき、開設後10日以内に管轄保健所へ提出することが義務付けられています。必要書類は施術所開設届・免許証の写し・平面図・案内図が基本で、法人開設の場合は定款と登記事項証明書も必要です。平面図には各部屋の用途・寸法・面積・換気設備・消毒設備の位置を正確に記載し、事前に保健所での相談を活用することで受理がスムーズになります。よくあるミスとして開設日と届出日の混同・平面図の記載漏れ・施術管理者要件の未確認が挙げられるため、開業準備の早い段階から計画的に書類を整えることが大切です。
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