コラム

接骨院の経営で重要なのは集客以上に「マーケティング」?その理由と方法を徹底解説

整骨院(接骨院)を経営する上で重要なのは、いかに患者さんを「集客」して売上を伸ばすかという点にあると指摘するコンサルタントは多いです。

当然、集客によって売上が伸びれば安定経営も可能なので、間違いではありません。しかし、集客だけを考えているとリピーターを獲得することは簡単ではありません。そこで、さらに踏み込んだ施策として「マーケティング」を意識してみることが必要となります。

今回は、接骨院経営で重要なマーケティングについて、なぜ必要なのか、どのような方法があるのかを詳しく解説していきます。

1.接骨院経営にマーケティングが必要な理由とは?

整骨院におけるマーケティングを考える前に、まず「マーケティング」とは何かを考えてみましょう。

マーケティングとは、企業が市場価値の高い商品を提供するための活動や仕組みを指す言葉で、さらに踏み込むと顧客が求める価値ある商品を届けることで、その企業自体が価値ある組織と認識させるための戦略となります。

ここでいう顧客とは、すなわち患者さんのことであり、患者さんにもさまざまなタイプがいるため、自院が集客ターゲットとしている患者さんを「ペルソナ」と呼びます。ペルソナを集客するための施策は「ペルソナマーケティング」と呼ばれます。

では、なぜ整骨院経営には集客よりもペルソナマーケティングが必要なのでしょうか。

たとえば、自院が得意とするメニューが産後骨盤矯正だったとします。しかし、患者さんが男性ばかりだったら集客はできていても、ペルソナマーケティングとしては失敗と言わざるを得ません。スポーツ外傷を売りとしている整骨院に高齢者の患者ばかり来院するとか、こうしたペルソナを正しく把握できていないマーケティングによるミスマッチは、よく起こります。

提供しているメニューと患者さんの求めるメニューが異なるのは、ペルソナマーケティングがうまく機能していないことが原因です。近年は整骨院の競争が激化しているため、こうしたメニューのミスマッチによって顧客が離れていってしまいます。

さらに、整骨院業界では保険に頼った売上の確保が望めなくなっています。いかに自院が患者さんに選ばれる存在になるかが重要で、そのカギとなるのが的確なペルソナマーケティングということになるのです。


2.マーケティングに必要なのは「情報収集」

それでは、ミスマッチなく集客するためのペルソナマーケティングに必要なことは何でしょうか。それはズバリ「情報収集」ということになります。

ペルソナは、自院が好きなように設定していいというわけでありません。まずは情報収集を行い、その上でペルソナの人物像を思い描いていくといった作業が必要となるのです。

それでは、整骨院のペルソナマーケティングにおける情報収集とは、どのようなものなのでしょうか。

ペルソナ設定のための情報収集の方法

ペルソナの設定には、可能な限り多くの情報を収集して顧客の人物像を明確にしていく作業が必要となります。ペルソナ設定のための情報収集には、以下のような手法が考えられます。

・来院している患者さんの客層を分析する
・患者さんにヒアリングしたり、アンケート調査を行ったりする
・自院のサイトやブログなどをアクセス解析する
・口コミサイトで自社の評判などを調査する
・専門の調査機関などのデータを調査する
・レセコンシステムなどの機能を活用する

もちろん、こうした情報収集は単体ではなく、複合的に組み合わせることで、よりペルソナとなる顧客の人物像は明確化していきます。特に患者さんにヒアリングを行ったり、アンケート調査を実施したりする施策は自院のブランディングにもつながるため、非常に重要な方法です。

また、来院している患者さんの客層を分析するためには、ただ漠然と「ウチは、こんな感じの患者さんが多いな」というだけでは正確にペルソナを把握するのは難しいと言わざるを得ません。そのためには、ペルソナを正確に割り出すことができる機能が付いたレセコンシステムの活用が必要不可欠となります。

ペルソナとターゲットの違い

なお、設定するペルソナというのは、よくターゲットと混同されることが多いため、注意が必要です。

ペルソナとターゲットとの違いは、顧客の人物像が詳細に設定されているかどうかです。特に整骨院の場合、想定される患者さんの性別や年代はもちろん、職業から特徴まで詳しく設定していく必要があります。

具体的には、以下のようなペルソナの設定例を参考にしてみてください。

・鈴木一郎さん(50歳)
・妻(47歳)と長女(21歳)、長男(16歳)との4人暮らし。東京の分譲マンションに居住
・大学時代は体育会系に所属していたが、現在は広告代理店勤務で運動習慣はない
・世帯年収は1000万円以上で、家計は妻が管理
・自身は月の小遣い制で、自分の自由になるお金は月に10万円程度
・40代半ばから慢性的な肩凝りと腰痛に悩まされている
・肩凝りや腰痛の改善とともに、その予防方法も知りたい
・50歳を迎え、以前よりも健康情報に関心が高まり、地域で開催されるセミナーなどにも参加することもある

このように、より具体的な顧客の人物像をペルソナとして設定することで、整骨院のスタッフが共通認識として患者さんに対する接遇などの対策にも落とし込むことができるようになるのです。

これが顧客ターゲットであれば「肩凝りや腰痛の改善を求める50代男性」となるため、スタッフそれぞれの認識にズレが生じ、マーケティングにも影響を及ぼしかねないのです。


3.これからの接骨院はペルソナマーケティングに基づいた集客をしよう!

自院のペルソナが設定できたら、そのペルソナを元にマーケティング施策を行い、患者さんの集客につなげていきましょう。

整骨院における集客には、おもに2つの目的があります。それは「新規顧客を開拓する」ということと「既存顧客に再来院してもらう」ということです。

そのために、まず既存顧客をリピーターにすることを考え、分析したペルソナ像と照らし合わせて適切な施策を行っていくことが重要です。

なお、新規顧客の獲得は、リピーターを獲得するための広告宣伝費の5倍以上のコストが必要といわれています。そのため、広告宣伝費を効果的に使うためにも、自院のペルソナマーケティングを明確にして最適な施策を展開していかなければなりません。

そのために、インターネットのSNSなどを上手に活用したり、自院のサイトを充実させたりといった施策が有効になります。さらに、自院のサイトに誘導するためのランディングページ作成やSEO施策といったマーケティング手法も活用していくべきでしょう。

4.接骨院のペルソナマーケティングにはレセコンシステムの上手な活用を!

ペルソナマーケティングを使って集客のための施策を行うには、情報収集や顧客管理が必要不可欠になります。そのために、ジャパン柔道整復師会のレセコンシステム「NOAH」の有効活用がおすすめです。

「NOAH」では、通常の整骨院業務をこなしていくだけで、自動的に顧客データが貯まっていくため、「分析機能」を利用することで、かなり詳細な項目ごとに顧客デ―タを表示させることができます。ペルソナ設定には有効なツールとなっています。

さらに、この「NOAH」にマーケティングとリサーチ機能まで追加した「NOAH+」も2021年4月にリリースされています。

NOAH+について、もっと詳しく知りたい方はこちら

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