コラム

柔道整復師として開業するには?資格・要件や具体的な流れを解説!

柔道整復師として開業すれば、自身の専門知識や技術を活かし、人々の健康をサポートすることができるだけでなく、独立した自営業として自分のビジネスを築くことができます。柔道整復師としての開業は、自己実現や将来の安定した収入を目指す方にとって魅力的な選択肢となることでしょう。

この記事では、柔道整復師として開業するために必要なステップや準備、資格取得について詳しく解説します。また、開業後の運営や集客に関するヒントや成功の秘訣もご紹介します。

柔道整復師としての開業に関する情報を網羅的にお伝えすることで、あなたが安心して一歩を踏み出せるようにサポートいたします。

柔道整復師が開業するメリット・デメリット

柔道整復師が開業するメリット

整骨院や接骨院での勤務では院の方針に従った施術を行う必要がありますが、独立すれば自身で方針を決定し、自由に施術を行うことができます。また、柔道整復師の平均年収が300〜400万円である中、独立して地域での信頼を築き上げ、リピート患者を増やすことで年収が1,000万円以上にも達する可能性もあります。企業と異なり定年がないので、年齢に関係なく仕事を続けることができる点も魅力です。

柔道整復師が開業するデメリット

しかしながら、競合施術所が増加しており、差別化が求められているため、安定収入を確保するには厳しい競争に勝ち抜く必要があります。独立するとサラリーマンではなくなりますので、安定した収入が得られない可能性も考えられます。

また、独立のためには経営スキルも重要です。施術技術だけではなく、マーケティング、接客、経理、スタッフ管理などのスキルも必要とされ、経営が安定しない場合は不安定な経済状態が続くことが予想されます。

柔道整復師が開業するのに必要な資格・要件とは

柔道整復師としての開業は多くの準備と手続きを伴いますが、地道な努力と継続的な学びを忘れずに取り組むことが成功のカギです。

将来の開業に向けて、具体的な計画を立ててステップバイステップで進めていきましょう。

柔道整復師免許

柔道整復師として開業するためには、まず柔道整復師免許の取得が必要です。

柔道整復師免許は、文部科学省が指定する4年制大学または都道府県知事の指定する専門養成施設に3年以上通い、柔道整復師試験に合格することで取得できます。

免許を取得するためには、専門的な知識と技術の習得が求められます。

実務経験

柔道整復師としての開業において、実務経験も重要な要素です。

施術管理者として開業する場合、平成30年4月からは実務経験期間と施術管理者研修の受講が義務付けられています。受領委任の届出を行う際には、実務経験期間証明書と施術管理者研修修了証の提出が必要です。柔道整復師として開業するだけであれば柔道整復師免許のみで問題ありませんが、健康保険を取り扱う場合は「施術管理者」としての要件を満たす必要があります。

施術管理者研修

施術管理者研修は、公益財団法人柔道整復研修試験財団が厚生労働省から登録を受けた研修機関によって開催されています。この研修は事前に申し込みが必要であり、柔道整復師として開業するためには受講が必要です。

施術管理者研修では、開業に必要な知識や法令について学ぶことができます。

柔道整復師の開業に必要な資格・要件を詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

⇒柔道整復師の開業に必要な資格・要件とは

柔道整復師の開業の具体的な流れ

柔道整復師の開業の具体的な流れは下記のとおりです。

柔道整復師の開業手順①:事業計画書を作る

柔道整復師としての開業を成功させるためには、まず事業計画書の作成が重要です。

事業計画書では、開業の目的やビジョン、具体的な経営戦略、予算計画などを明確に定めます。計画書を作成することで、開業の方向性を整理し、実現に向けて具体的な行動計画を立てることができます。

事業計画書の書き方については、以下の記事をご覧ください。

⇒柔道整復師の開業における事業計画書の書き方

柔道整復師の開業手順②:資金計画を立てる

開業には資金が必要ですので、資金計画を立てることも重要です。

具体的な開業費用や運営費用を見積もり、必要な資金の調達方法や返済計画を考えましょう。資金計画をしっかりと立てることで、開業後の経済的な安定を図ることができます。

柔道整復師の開業手順③:施術所の開業場所を決める

柔道整復師として開業する際には、適切な施術所の場所を選定することが大切です。

周辺の競合状況や交通アクセス、周辺施設などを考慮し、潜在的な顧客層にアプローチできる場所を選びましょう。また、物件の契約条件や施術スペースのレイアウトなども検討しましょう。

柔道整復師の開業手順④:施術所の設計・内装工事を行う

開業場所を決めたら、施術所の設計と内装工事を行います。

柔道整復師の施術に適した環境を作り出すために、施術スペースのレイアウトや必要な設備、衛生管理に配慮した内装を計画しましょう。専門の設計士や施工業者の協力を得ることで、効果的な施術環境を実現できます。

施術所の内装の要件などを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

⇒柔道整復師の開業における施術所の内装とは

柔道整復師の開業手順⑤:医療機器を選定する

柔道整復師の開業には必要な医療機器の選定も重要です。

適切な医療機器を選ぶことで、施術の質や効率を向上させることができます。柔道整復師の業務に必要な機器や器具を選定し、予算や品質に応じて契約を進めましょう。

柔道整復師の開業手順⑥:接骨院の開業手続きを行う

開設届

まずは所轄の保健所に開設届を提出しましょう。開設後10日以内に必要添付書類と合わせて提出する必要があります。開設届には開業する施術所の所在地や設立者の情報などが必要です。

受領委任取扱い契約の届出

健康保険の受領委任を行う場合は、受領委任取扱い契約の届出が必要です。

健康保険を取り扱うためには、管轄の地方厚生局への届出手続きが必要となります。必要な書類や手続きについては、所轄の保険関係機関に問い合わせて確認しましょう。

共済組合・防衛省等への届出

共済組合や防衛省などの団体に加入している場合は、開業の届出手続きが必要となることがあります。

所属している団体によって手続き内容が異なるため、関係機関との連絡を取りながら手続きを進めましょう。

労災保険指定医療機関への届出

労災保険指定医療機関になるためには、開業の届出手続きが必要です。

労働者が労災によるケガや病気を治療する際には、指定医療機関での受診が必要となります。所轄の労働基準監督署に連絡し、届出手続きについての詳細を確認しましょう。

生活保護法等指定施術機関への届出

生活保護法に基づく指定施術機関として開業する場合は、届出手続きが必要です。

地域の福祉事務所や保健所に連絡し、詳細な届出手続きや所定の書類について確認しましょう。

税務署への届出

開業後は税務署への届出も忘れずに行いましょう。

事業の種別や所得税や消費税の申告方法などについて、税務署と相談しながら届出手続きを進めます。

届出や手続きについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

⇒柔道整復師の開業における届出・手続きとは

柔道整復師の開業手順⑦:従業員の採用・教育

開業後の施術所運営には、従業員の採用と適切な教育が欠かせません。

柔道整復師のアシスタントや受付スタッフを採用し、チームを形成しましょう。従業員の適性や能力を評価し、適切な教育プログラムを実施することで、円滑な業務運営を図ることができます。

柔道整復師の開業手順⑧:接骨院の宣伝・集客を行う

開業後は、接骨院の宣伝や集客活動も積極的に行いましょう。

ウェブサイトやSNSの活用、チラシやポスターの配布、地域イベントへの参加など、多様な手法を駆使して知名度を上げましょう。また、地域の医療機関や関連施設との連携も重要です。地域の信頼を得るために、地道な努力と積極的な情報発信を行いましょう。

集客については、以下の記事もご覧ください。

⇒柔道整復師の開業における集客のやり方とは

柔道整復師の開業にかかる費用とは

適切に初期投資と運転資金を見積もり、開業時の費用を把握しておくことは柔道整復師の成功に不可欠です。事前の計画と予算立てを行い、安定した経営のために資金を適切に確保しましょう。

初期投資

柔道整復師の開業には、初期投資が必要です。

接骨院や整骨院の場合、開業にはおおよそ1000万円の費用がかかると言われています。施設の規模や医療機材の導入などによって費用は大きく変動しますが、最低でも700万円程度は必要と考えてください。

初期投資には、物件取得費や設備投資費、広告費や人件費などの項目が含まれます。それぞれにかかる費用を、しっかり確認しておきましょう。

運転資金

運転資金は、日常の業務運営や継続的な経費の支払いに使用されます。運転資金には以下の費用が含まれます。

まずは人件費です。開業後のスタッフやアシスタントの給与や社会保険料などの費用を予算に組み込みましょう。また、施術所の光熱費として、電気代や水道代などの費用も考慮しましょう。さらに、施術所の立地条件によっては地代家賃がかかる場合もありますので、地代家賃を予算に含めることも大切です。

通信費や消耗品の費用も運転資金に含まれます。ビジネスに必要な通信手段やインターネット接続などの通信費用を見積もりましょう。さらに、施術に使用する消耗品や薬剤、医療器具の交換や補充にかかる費用も考慮しましょう。

開業資金や資金調達の方法について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

⇒柔道整復師の開業資金や資金調達の方法とは

柔道整復師の開業における5つのポイント

柔道整復師の開業における重要なポイントを5つ解説します。

集客方法を学ぶ

柔道整復師の開業において、集客方法を学ぶことは非常に重要です。患者さんを増やし続けるためには、効果的な集客手法を習得する必要があります。

まずはオンラインの存在感を高めましょう。ウェブサイトやSNSの活用、患者さんの口コミやレビューの取り扱いなど、インターネットを活用した集客方法を学ぶことが必要です。また、地域のイベントや健康セミナーなどへの参加や、医療相談の提供なども効果的な集客手段となります。

患者さんのニーズや行動パターンを理解し、それに合った集客戦略を学んでいきましょう。

リピート率を高める

開業後も患者さんとの信頼関係を築き、リピート率を高めることが大切です。患者さんにとって満足度の高い施術やサービスを提供し、定期的なフォローアップやアフターケアを行いましょう。

コミュニケーションを大切にし、患者さんの状態や要望に対して適切なアドバイスやケアを提供することが重要です。また、予約のしやすさや待ち時間の短縮、施術環境の快適さなど、患者さんの利便性に配慮した施術所の運営もリピート率を高める要素となります。

他院との差別化を図る

競合する他の柔道整復院と差別化を図ることも重要です。自院の特長や強みを明確にし、他院との差を打ち出しましょう。

例えば、専門的な知識や技術を持ったスタッフの配置や、特定の疾患や症状に特化した治療メニューの提供など、他院とは異なる価値を提供することが差別化の一つです。また、院内の雰囲気や設備の充実、提供するサービスの質の向上なども差別化のポイントとなります。

差別化について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

⇒柔道整復師の開業ですべきコンセプト設定とは

集客しやすい立地を選ぶ

集客しやすい立地を選ぶことも成功の鍵です。交通の便や周辺の商業施設の有無、競合他院の存在などを考慮し、患者さんにとって利便性の高い場所を選びましょう。

特に、人口密度の高いエリアやオフィス街、病院やスポーツ施設の近くなどは集客に有利な立地と言えます。また、駐車場の確保や交通アクセスの良さも患者さんにとって重要な要素ですので、立地選びの際にはこれらも考慮しましょう。

立地選びについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

⇒柔道整復師の開業における立地選びとは

商圏分析を行う

商圏分析を行うことで、自院のビジネス領域や患者さんの属性を把握することができます。商圏内の人口構成や所得水準、競合他院の数などを調査し、ターゲットとなる患者層を明確にしましょう。

また、商圏内の需要と競合状況を分析することで、適切な価格設定やサービスの特化を行うことも可能です。商圏分析は的確な戦略立案や集客計画の基盤となりますので、開業前や開業後に定期的に実施しましょう。

まとめ【柔道整復師として開業するならジャパン柔道整復師会!】

今回の記事では、柔道整復師として開業するための方法やポイントについて解説してきました。柔道整復師として開業するなら、技術面だけでなく費用や集客といった事務的なことも重要になってきます。

そこでおすすめしたいのが、ジャパン柔道整復師会です。ジャパン柔道整復師会は開業経営支援だけでなく、事務的な作業も手伝ってくれる信頼できるパートナーです。

主なサービスとしては、レセコンシステム「NOAH」の提供やレセプトの請求代行などがあります。これにより、接骨院や整骨院の開業経営をスムーズに進めることができます。また、事務作業の負担を軽減するためのサービスも提供しています。

 

柔道整復師としての開業を考えている方は、ぜひジャパン柔道整復師会に相談してみてください。

 

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