コラム

整骨院の需要は増えている?安定した整骨院経営を目指すには

整骨院はもともと、骨折や脱臼、打撲、捻挫、挫傷などの急性症状に対応する施設です。しかし、近年では慢性症状や介護の需要が高まっています。

この記事では、整骨院の需要拡大やその背景、安定した経営を目指すコツについて詳しく説明します。

 

整骨院・接骨院の需要は今後どうなるのか

柔道整復師が開業する整骨院は、骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷などに関する専門家です。彼らは整形外科のリハビリ施設やスポーツ施設、介護施設などで活躍し、応急手当やマッサージなどの施術を行います。ただし、医療行為はできません。

日本は超高齢社会であり、健康寿命を延ばすために身体のケアがますます重要視されています。高齢者だけでなく、デジタルデバイスの普及やビジネスパーソンの業務負担からくる身体的な不調を抱える若者も増えており、整骨院などの治療院への需要が高まっています。

 

整骨院・接骨院開業に将来性がある3つの理由

国家資格だから

整骨院や接骨院を運営するには、柔道整復師として国家資格を取得する必要があります。この資格を取得するためには、専門の教育機関で学び、国家試験に合格する必要があります。

国家試験の合格率は50〜60%程度と高くはありませんが、合格した柔道整復師はその技術や知識において高い信頼を得ています。この背景から、整骨院や接骨院の信頼性が高まり、将来性を支えています。

 

高齢化が進んでいるから

日本は高齢化が著しく進んでおり、2020年度の高齢化率は28.8%に達しました。この高齢化社会において、骨折や転倒による介護需要が増加しています。

柔道整復師は高齢者の健康を支える重要な役割を果たしており、その需要は今後ますます高まると予想されます。これが整骨院・接骨院の将来性をさらに高める理由の一つとなっています。

 

テレワークで腰痛や肩こりに悩む人が増えているから

近年、長時間のデスクワークによる腰痛や肩こりの悩みが増加しています。また、健康意識の高まりにより、身体のケアを重視する人々も増えています。

このような状況から、整骨院や接骨院への需要が拡大しており、柔道整復師の役割がますます重要視されています。このトレンドから、整骨院・接骨院の開業は将来性が高いと言えるでしょう。

 

需要ある安定した整骨院・接骨院を経営する4つのポイント

顧客ニーズを分析する

ターゲットの選定が甘く、顧客層の十分な分析が行われていないまま開業するケースが多く見られます。

例えば、田舎で高齢者向けの整骨院を想定する場合、院内の雰囲気がやや雑然としていても受け入れられる可能性があります。また、敬語を使わずに親しみやすく話すことで好意的に受け取られるかもしれません。

しかし、都心や繁華街での開業を考える場合、雑然とした雰囲気の院内でフレンドリーな接客をすることはうまくいかないかもしれません。想定する顧客層が何を求めているのか、どんな雰囲気やサービスを望んでいるのかを開業前にきちんと把握することが重要です。

そのためには、まず商圏内の住居分布や潜在的な顧客の性別、年齢、家族構成などを調査し、メインターゲット層を明確にする必要があります。

「なんとなく」で方針を決めるのではなく、綿密な分析を通じて適切なメニューやサービスを展開することが成功の鍵となります。整骨院経営の成功は、緻密な顧客分析にかかっているのです。

 

集客・宣伝の強化する

念願の開業を果たしても、開業時にホームページやチラシを作成して後は何もせずに放置するケースが少なくありません。しかし、継続的な集客や宣伝がなければ顧客を獲得し、定着させることは難しいでしょう。

技術力が抜群で一度の施術で痛みを解消できるなどの特長がある場合は別ですが、競合が多い現代では、戦略的な集客手法が求められます。例えば、毎週顧客リストをチェックし、2週間以上来院していない顧客に再度来院を促す施策を継続的に行ったり、ビラ配布やポスティングを継続して行い、知名度を高めることができます。

廃業ラッシュに巻き込まれないためにも、「場所選び」「顧客分析」「サービス提供の視点」を意識しつつ、受動的ではなく積極的な施策を継続的に行っていくことが重要です。

 

リピート率を高める

安定した経営を維持するためには、リピーターの存在が極めて重要です。新規顧客を獲得することも重要ですが、リピーター率を高めることは費用対効果が高いとされています。顧客満足度を向上させるためには、技術やサービスの質を高める取り組みが不可欠ですが、同時に「2回目以降の来店に割引を適用するシステム」や「お得な回数券」など、継続的に利用することで特典が得られる仕組みを整えることも効果的です。

 

自費メニューを増やす

整骨院の経営を成功させるためには、自費メニューの導入も重要です。前述したように、療養費の削減に伴い不正請求が増加している現状がありますが、自費メニューはこの影響を受けることがありません。

自費メニューは各診療所が独自に内容や価格を設定できるため、顧客のニーズに合ったものを提供できます。例えば、針灸療法、骨盤矯正、保険適用外のマッサージやストレッチ、運動療法などが考えられます。整骨院のコンセプトや顧客層に合わせて自費メニューを導入し、経営の柱として育てていくことが成功の一助となります。

 

需要のある整骨院・接骨院を開業するなら差別化が重要

独自コンセプト

治療コンセプトは、整骨院が顧客に提供するサービスにおける一貫した考え方やアプローチです。他の整骨院との差別化を図るには、スタッフ全員が治療コンセプトを正しく理解し、共有することが重要です。

治療コンセプトを明確化するために、以下の項目を考慮してみましょう。

・どのようなお客様をターゲットにするか

・どのような方法でお客様のニーズに応えるか

・施術の頻度や回数の目安はどれくらいか

・目指すべき状態は何か

・どのようにして施術効果を可視化するか

例えば、競合の整骨院が高齢者をターゲットにしている場合は、肩こりや腰痛に悩むビジネスパーソンや美容意識が高い女性など、ターゲットの方向性を変えることで差別化が図れます。

 

立地

立地は、整骨院が差別化を図るための重要な要素の1つです。店舗の立地は、顧客の利便性に大きく影響します。他の整骨院よりも優れた立地条件を持つ場合、集客が容易になるでしょう。

立地条件を差別化するためには、以下の要件が重要です。

・利便性が高いこと:顧客が簡単にアクセスできる立地が望ましいです。

・ターゲット層の在住エリア内にあること:自院のターゲットとする顧客層が多く住むエリアに店舗があると集客がしやすくなります。

顧客が来店しやすいエリアに店舗がなければ、サービスや施術の魅力があっても集客率を高めるのは難しいでしょう。整骨院が他と比較して優れた立地条件を持つことは大きな利点です。競合の整骨院が駅から少し離れている場合は、駅ビルのテナントに入るか、住宅街周辺に店舗を構えるなどの戦略を取ることが考えられます。このように立地を工夫することで、集客につながる可能性が高まります。

 

価格

価格設定も整骨院の差別化において重要なポイントです。

他の整骨院と比較して価格に優位性があれば、集客が見込みやすくなります。まずは競合の整骨院の価格相場を調査し、適切な価格を設定しましょう。

価格設定は、サービス内容や効果に見合ったものであると同時に、お客様の予算も考慮することが重要です。例えば、ターゲット層の予算が5,000円なら、価格を4,000~8,000円の範囲内に設定すると良いでしょう。顧客の予算に合致する価格を意識しましょう。

競合が価格競争を展開している場合は、短時間で高い効果を提供することで分単価を高める戦略が有効です。こうした価値を強調することで、差別化を図ることが期待できます。

 

営業日・営業時間

整骨院の営業日と営業時間は、集客に大きな影響を与える要素です。競合との差別化を図るには、競合院が営業していない時間帯を狙う必要があります。

例えば、平日の日中は高齢者や主婦が利用しやすい時間帯ですし、平日の夕方や休日はビジネスパーソンが利用しやすい傾向にあります。競合整骨院が平日のみ18時まで営業しているなら、日曜日や20時まで営業することで差別化を図ることが考えられます。

 

まとめ【整骨院・接骨院の需要は高まっている】

以上が、整骨院の需要が高まっていることの紹介になります。整骨院の数は今後も増える見込みですから、競争に勝ち抜くためには安定した経営基盤を築くことが不可欠です。

整骨院や接骨院を成功させるためには、事業計画の策定、適切な立地の選定、そして詳細な商圏調査が欠かせません。これらの準備作業に加えて、専門的なサポートを受けることが重要です。

その点で、ジャパン柔道整復師会は理想的なパートナーです。接骨院の開業から運営まで、専属のコンシェルジュが一対一でサポートします。また、独自開発のレセコンシステム「NOAH」は、直感的な操作性と経営分析機能を備えており、日々の運営を支援します。

集客方法や人材採用などに不安がある方にとって、ジャパン柔道整復師会のバックアップは魅力的です。開業予定の方も、既に開業されている方も、ジャパン柔道整復師会への相談をお勧めします。

整骨院の成功を目指すなら、ジャパン柔道整復師会にご相談ください。

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